訪問診療

当院の在宅医療(訪問診療)について


 在宅医療とは、病気や障害により通院が困難な患者さんに対して、医師がご自宅や施設を訪問して行う医療です。計画して定期的に訪問する「訪問診療」と、突発的な病状悪化などの際に患者さんや家族の求めに応じて行う「往診」を行い、患者さんの自宅での療養を支援します。

 

 在宅での療養を希望される方になるべく医療的なデメリットが生じないように、必要な検査・処置についてはできる限り対応を行えるように用意をしております。

 実施可能な検査:

  各種血液検査、細菌学的検査、超音波検査、心電図検査

 実施可能な処置:

  創・褥瘡の処置

  注射(皮下、筋肉、膝関節内、静脈)

  点滴(皮下、静脈、中心静脈、点滴ポンプ利用可)

  各種予防接種(新型コロナワクチン、インフルエンザワクチン、小児の定期接種など)

  経鼻栄養チューブ、胃ろう、尿道カテーテルの管理(胃ろうの交換はできません)

  気管切開カニューレの管理・交換

  在宅酸素、在宅人工呼吸器の管理

 

 当院では訪問診療の契約を交わし、定期的な訪問での診察を受けている方については24時間365日の対応を行っています。病状悪化時の往診のみをご希望される方は基本的にはお引き受けできません。新型コロナウィルス感染症を疑う症状があり、自力で医療機関受診ができず、かかりつけ医で対応してもらえない場合のみ、一時的に往診での検査や処方の対応を行うことはできますのでご相談ください。

 

 訪問診療の開始前には原則ご家族にクリニックへ来ていただき医師との面談を行っていますが、状況に応じてご自宅への訪問時にご家族に説明を行うことも可能ですのでご相談ください。

 

 

在宅医療(訪問診療)の対象となる方


 ・基礎疾患や年齢に関わらず、病気や障害のため通院が困難で、在宅での療養を希望される方。

 (がんの末期、認知症、神経難病、重症心身障害児、など)

・人工呼吸器や中心静脈栄養、尿道留置カテーテル、胃瘻などを使用中の方も対応します。

 

対象地域:

 クリニックより車で概ね15分以内で行ける範囲

 野洲市全域、守山市全域

 近江八幡市の一部、竜王町の一部

 湖南市の一部、栗東市の一部

 

 

適切な意思決定支援に関する当院の指針


1.

突然の事態に備えて、外来通院時など元気な時から人生の最終段階における医療及びケアについての話し合いを繰り返し行うように努めます。

 

2.

本人・家族が適切な判断ができるように、現在の病気の状況や今後の見通しについて、日頃から十分な情報提供を行います。

 

3.

本人に関わる医療・ケアチームが意思決定支援を適切に行えるように、本人・家族の同意のもと必要な診療情報を医療・ケアチームで共有します。

 

4.

本人の意思確認ができる場合は、本人の意思を最優先できるように、家族や医療・ケアチームとの話し合いを進めていきます。

 

5.

本人の意思確認ができない場合は、次のような手順により、本人にとって最善の方針を決定します。

 ① 家族などが本人の意思を推定できる場合は、その推定意思を尊重します.

 ② 家族などが本人の意思を推定できない場合は、本人に代わるものとして家族などと十分に話し合います。

 ③ 家族などが居ない場合、及び家族などが判断を医療・ケアチームに委ねる場合は、医療・ケアチームの中で十分に話し合います。 

 

6.

話し合いの内容は、その都度記録を行います。

 

7.

一度方針を決定した後も、時間経過に伴い本人の状態の変化や、家族の状況の変化が生じうるため、必要に応じて再度話し合いを行い、方針の修正を行います。

 

8.

人生の最終段階における医療・ケアについて、医療・ケア行為の開始・不開始、変更、中止などは、医療・ケアチームによって、医学的妥当性と適切性を基に慎重に判断し、本人・家族の同意を得て決定します。

 

9.

上記4、5、8の方針決定に際して、本人・家族と医療・ケアチームの話し合いの中で、意見がまとまらない場合や方針決定が困難な場合は、本人・家族の同意を得て、医師会など外部の専門家からなる話し合いの場を別途設置し、方針などについての検討及び助言を得ることとします。